光の道筋

小人サイズのエレベーターは生理的不快感を呼び起こした。
おそらく見せかけの動きで、光と音で上下を連想させて「乗らなきゃ」「降りなきゃ」という気にさせるから。
しかもその扉を通って小人サイズの人間が忙しなく出入りしている錯覚さえ覚える。
黒に塗りつぶされた巨大な壁掛け絵は徐々に丸みを帯びた模様や汚れを写していった。
ピンク色の柔らかい光は胎内回帰的な情景を喚起させる。
爆発はそこに存在した確かな、内在した生を克明に描き出して。
太古の時代に息づいたあたりまえの生活が、現代にえもいえない感動を運ぶ。
圧倒的なリアリティが非現実的に積み上げられて、詰め込まれて、溢れていた。
脳裏にはエレベーターの到着を知らせる金属的な音がまだこびりついている。
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村上隆/スーパーフラット展
観覧直後の感想文・加筆修正

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